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はてなダイアリー「鉄道旅行とは巡ること」からの移行ブログです。鉄道を含む交通機関関連がメインだけれど実際には雑多ネタ。

福岡市「ガソリン漏洩事故」の原因と、これから起こるだろう「ガソリンスタンド大量閉鎖騒動」

 福岡市城南区のガソリンスタンド(GS)周辺で、ガソリンが気化した高濃度のガスが検出された問題で、GSを所有するJX日鉱日石エネルギー九州支店(福岡市)は4日、同市で記者会見し、給油機から周辺の土壌に6千〜8千リットルのガソリンが流出した可能性があると明らかにした。
「ガソリン最大8000リットル流出 JXが汚染土回収へ、福岡市 [福岡県]」
西日本新聞2014年6月5日付配信記事:http://www.nishinippon.co.jp/nnp/f_toshiken/article/92880

3日に「ガソリンスタンドからガソリン、地下に漏洩」というニュースを知り、えーっと思ったものだが、その続報で周辺の土壌に6000〜8000リットルものガソリンが漏出した可能性がある、という。しかも原因は「まさか」と思った箇所だった。

市消防局などによると、給油機のポンプ内の部品が劣化し、漏れたガソリンが直下の配管・電源スペースにいったんたまり、スペースの隙間から土壌に流出。地中の水脈に沿って、GSの敷地から5メートルほど離れた車道に埋設された下水管に到達した。下水管内でガソリンが揮発し、高濃度ガスが発生したという。
(上記記事より)

給油機のポンプ内にある部品の劣化である。
各ガソリンスタンドでは法令により、燃料貯蔵タンクは地下に設置することになっている(簡易給油所を除く)。そして地下から給油機内蔵もしくはタンクに取り付けたポンプで燃料を汲み上げる。このポンプは危険物保安技術協会公式サイトの「用語解説」ではギア式と解説されている*1。ギア式とはわずかな隙間を挟んで噛み合うギアにより液体を送る構造のものだ。よく考えてみれば、当然ギアを駆動する軸には軸受け、そしてギアを収納するケースには合わせ目がある(はず)。連続使用によりそれらから隙間が発生し、そこからガソリンが漏れることは明らかだったのだ。


消防法、厳密には「危険物の規制に関する規則」の一部改正及び総務省消防庁告示の一部改正であるけれど、それが2011年2月1日から施行されたことと、その後の騒動は記憶に新しい。この改正により、埋没後40〜50年を越える地下貯蔵タンクについては内面に強化加工を施すか、電極をタンクの周囲に差し込んで微弱電流を流し腐食処理をするかのいずれかを取らなければ、所有する給油所に罰則が適用されることになった。そしてその時には特に地方のガソリンスタンドにおいて改修工事に必要となる数百万円もの費用が払えず、やむなく営業を終了するところが多数出た。しかし何とか費用を捻出しタンクの改修をし営業を続けているところは、次に「給油機」の改修という大問題が降りかかる。総務省消防庁が今回の事故を受けて「古い給油機の整備に関する規定」なんてものでも出したら、「地下貯蔵タンク改修騒動」の再現になるのではないか? そもそも給油機の最新モデルって一体いくらなんだ? 古い給油機を使っているところは交換可能なのか? 地方の過疎集落で営業しているところは大丈夫だろうか? ガソリンスタンド経営もホント、楽じゃなさそうだ……などと変なオチをつけたところで本日付記事はおしまい。
ところでちょっとネット上をさまよっていたら、東京アールアンドデー株式会社がJR東日本に、いすゞエルガミオをベースとした電気バスを納入した、というニュースを見つけた。
http://www.tr-d.co.jp/2014/06/03/%EF%BD%8A%EF%BD%92%E6%B0%97%E4%BB%99%E6%B2%BC%E7%B7%9A%EF%BD%82%EF%BD%92%EF%BD%94%E5%90%91%E3%81%91%E9%9B%BB%E6%B0%97%E3%83%90%E3%82%B9%E3%82%92%E6%9D%B1%E6%97%A5%E6%9C%AC%E6%97%85%E5%AE%A2%E9%89%84/
「BRT化」によりその路線自体が存続するなら、まぁそれはそれでアリなんじゃないかと思うのは私だけですかね?