テツモグラはいつももがいてます

はてなダイアリー「鉄道旅行とは巡ること」からの移行ブログです。鉄道を含む交通機関関連がメインだけれど実際には雑多ネタ。

約1年で月刊「旅と鉄道」休刊?

例によってもりくち氏の「反応」は早い。
http://d.hatena.ne.jp/katamachi/20081211/1229005328
はてなアンテナ」に登録しておいて大正解だった。記事を見てその日のうちに近所の書店へ走った。所持金が足りなかったから立ち読みで済ませたがw、「編集後記」には「月刊化したが思ったほど部数が伸びなかった」とかいう理由が確かに書かれていた。後で買ってくることにしよう。さて、もりくち氏が下した手厳しい評価については、上記「とれいん工房の汽車旅12ヵ月」の記事を最初から最後まで読んでいただくとして、以下の下りで思い出した。

ただ、

●旅行派で鉄道色の薄い人たちだからカネを出してまで情報は欲しくない

という状況を完全に読み誤った。

この前の旅行で「はやぶさ」に乗った際、私がいた寝台の隣を利用していた家族連れのことだ。乗車することを決めたという父親が、

  • 「いつもは飛行機で行くけれど、廃止になるかもしれないというので乗ってみた」

と言っていた。ということは、彼らは新聞で報じられていなければ、「はやぶさ」になど乗っていなかったということか。
あるいはこんな話。名鉄7000系の残る3編成が12月末をもって、通常の運用から外される。そこで先日名鉄岐阜駅にて7000系が到着するのを待っていたが、他の列車から降りてきた乗客は「何やってんだ」といった顔で通り過ぎていく。地元紙「中日スポーツ」でも取り上げている話なのに。「鉄道ファンではない一般の人」と「鉄道ファン」の間でものすごい「温度差」を感じるんだが……。いや、これは今に始まった話じゃないな。


趣味を始めるには「きっかけ」が必要。「バイク好き」には「長距離ツーリングをしたい」などという目的があるだろう。特定の物品のコレクターだと「その物品に何らかの魅力を感じて集めだした」と、収集のきっかけを話す。ラジコン、ミリタリー、ギャルゲー、エロゲー(もう死語か?)・・・いずれも「ただ漠然と」ファンになった、とか「気が付いたら」など、はないはずである。
では「鉄道ファン」は? 鉄道ファンとは「鉄道自体を自らの趣味の対象」とする人々。鉄道の走行風景、車両、あるいは音……それらに魅力を感じ、ファンになったはずだ。しかし一方で、その「鉄道」は一般の人から見れば、「単なる移動手段の一つ」にすぎない。その「単なる移動手段の一つ」から「趣味の対象」になる「きっかけ」として、この「旅と鉄道」という雑誌が入ってくれれば……と(一応)一読者として期待していた。ちょうどローカル線や古い車両をマスコミが取り上げ始め、「鉄道ブーム再来」と騒がれた。この流れがそのまま続けば同誌も月刊誌として伸びた可能性もあるが、結局マスコミは「ネタ欲しさ」だけだったらしい。同誌の編集部もこの「流れ」を勘違いした可能性は非常に高い。


まぁ、ボロ出しまくりなのでこの辺で終えておく。個人的には、一部の記事に載っていた「行程表」が列車の発着時刻まできっちり書かれていたため、事実上の「参考資料」になっていたのだが……。ネット接続環境がある程度整った今、言われてみればそれももう必要のない状況になった。
復活を望むが、本当に購入するかどうかは「内容次第」ってことになると思う。

おまけ

当時のJR線全駅下車に続き、私鉄全駅下車を成し遂げた横見浩彦氏。彼の存在がクローズアップされた理由って、私鉄全駅下車ではなく、監修及び案内人を務めたコミック「鉄子の旅」の中で、彼のテツっぷりが大きく紹介されたからではないか? 今、鉄道ライターの種村直樹氏が知人と共に、「日本列島外周きまぐれ列車」なる長期旅行を実行している。日本列島の外周を列車やバス、あるいはレンタカーや徒歩などで移動するというものだ。これを実行するには相当な金銭と時間が必要だ。でもそれ以上に、「気まぐれ」とはいえ、事前の情報収集はやっておかないとどこかで行き詰る。ではそんな大企画を一度でもマスコミは取材したか?
マスコミのスタンスっていつもどこからか言われているが、肝心な部分には踏み込んでこない。事件とか政治とか芸能とか、そういうところはどんどん踏み込んでいくんだけどねぇ。何ででしょう?


もっとも、私自身は「鉄分若干あるけど鉄道ファンとはお世辞にも言えない」立場。「お前はそんな意見書ける立場か」って指摘されると、某ゲームのキャラみたいに「うぐぅ」って黙らざるを得ない……。どーせ記事も「鉄道作文」レベルだからなぁorz。

おまけ(2013年4月9日)

で、その後復刊したのは言うまでもない。でもあんまり売れてなさそうだったなぁ。