テツモグラはいつももがいてます

はてなダイアリー「鉄道旅行とは巡ること」からの移行ブログです。鉄道を含む交通機関関連がメインだけれど実際には雑多ネタ。

鉄道ライターのみなさん、そろそろ地上波放送の旅番組に出るべきでは?

2009年11月12日、優良放送番組推進会議が旅番組に関するランキングを発表した。リストアップされた旅番組の中から適宜回答者が選んで、4段階評価(3・2・1・0・マイナス)で推薦度合いを投票する、というものだ。結果は既に同ホームページで公開されており、平均点第一位はTBS「THE世界遺産」、第二位はテレビ朝日世界の車窓から」、第三位は日本テレビぶらり途中下車の旅」。
当然のことだが、この調査は会員登録した大手企業の社員に対して行われたもので、しかも今回のアンケートに回答したのはそのうちのたった500人と少なすぎる。だがこの調査結果に一通り目を通して、非常に気になる点を見つけたので取り上げた。長寿番組として続く日本テレビ系「遠くへ行きたい」が平均点順位で25番組中17位、テレビ東京系「いい旅夢気分」が14位、テレビ東京系「土曜スペシャル」が18位なのである。いや、平均点順位だけでなく、回答者数や合計得点でも下。NHK鶴瓶の家族に乾杯」も抜けなかった。
ぶらり途中下車の旅」は同じ旅番組であるにもかかわらず、「いい旅夢気分」や「土曜スペシャル」、「遠くへ行きたい」よりも放送開始時期は後である。それなのに大手企業社員500名の評価はその3つの番組よりも「お勧めしたい」なのである。この評価の低さについて、もし理由があるとするならたった一つ、番組の内容が単調で面白くないってことぐらいしか考えられない。だがこれら3つの番組は本当に人気がないのかというと、今も続いている以上視聴している人はいる。「土曜スペシャル」についてはその証拠がある。

11月21日放送「土曜スペシャル:絶景! 紅葉列車の旅」は関東地区視聴率12.4%!

ビデオリサーチ社「関東地区視聴率調査2009年第47回調査(11月16日〜11月22日)」で、2009年11月21日(関東地区)放送の「土曜スペシャル」が12.4%を記録し、NHK「小さな旅」と同率だったのである。この時の放送内容は紅葉の見頃を迎えた地域を列車で訪ねる、というものだった(内容については、リンク切れを起こすかもしれないが一応こちら)。「お約束」の路線である大井川鉄道高山本線ワイドビューひだ号)だけでなく、吾妻線米坂線水戸駅安積永盛駅を結ぶ水郡線も登場した。個人的には「米坂線」を何時発の列車でどの駅で降りたのか、それがものすごく知りたいのだが、まぁその辺はいいや。
とにかく、テレビ東京系「土曜スペシャル」に限っては、内容によって視聴率が高い時がある。2008年3月22日(関東地区、以下同じ)放送「東海道ローカルバスの旅」*1は関東地区15.3%、2007年10月20日放送「日本列島横断ローカルバス乗り継ぎの旅」*2も12.7%。2008年5月31日放送「日光街道 歩き旅 10日間ふれあい珍道中」*3も11.9%という高い視聴率を記録していた。
視聴率調査自体、どのくらい信用していいのかという疑問はある。だが「土曜スペシャル」の特定の回を選んで見ている人は多い、という事実は疑いようがない。やはり「内容」なのだ。視聴者が今まで考えもしなかった「旅行」が放送されたら見るのだ。でも「視聴者を驚かせるような旅行プラン」なんて何度も出せるものじゃない。そこでふと思い出した。そんな旅のプランを提供出来る人いるわ。今そこら中でご活躍中のプロの「鉄道ライター」の皆様方に頼めばいいんです。

横見浩彦川島令三、徳田耕一、種村直樹……何でみんな地上波の紀行番組に積極的に出ないんですか?

以前、「「鉄道フェスティバル」に行ってきた。〜鉄道旅行とは「巡る」こと。」で、横見浩彦氏に「駅から降りて、その後どこに行かれたのか」と聞いた時のことを書いた。著書である「JR全線全駅下車の旅」文庫版は何度も読み返した。その後の氏の活動も「横見浩彦WEB鉄道」をチェックさせてもらった。しかし、横見裕彦氏がBS・CS系放送局の旅番組には出演していても、地上波で放送される紀行番組に出演したという話は聞かない。これは横見氏に限らない。川島令三氏、徳田耕一氏、そして今年6月に「日本外周気まぐれ列車」を旅として完結させた種村直樹氏……いや、もしかしたら一度くらいはあったかもしれない。
彼らが持っている知識は確実に非鉄道ファンのそれよりも多い。彼らは取材のため全国の鉄道線(やその他公共交通機関)をよく利用しているはずだからだ。ところがその知識を発揮する「場所」は、自著のサイン会や雑誌への寄稿、鉄道絡みのイベント、あるいはほんの一部のニュース番組ぐらいで「終わり」となっている。そりゃあまずい。
「ブーム再来」とばかりにマスコミが鉄道についていろいろ騒ぎ出した。旅番組でも「鉄道で移動すること」をテーマとする放送回が多くなってきている。でもまだ全ての旅番組は「鉄道趣味」という世界の上空を飛び回っているだけ。私にはそうとしか見えない。今こそちょうどいい機会ではないか。「鉄道旅行ってこういうことをするんです」という一つの例示をすればいい。きっと非鉄道ファンが「振り向く」きっかけになるはず。それとも何ですか、「旅番組と鉄道趣味は相容れない」とでもおっしゃるのですか、鉄道ライターの皆様方。

「終わり」があるんだったら「始まり」だってあるはずだ。

「とれいん工房の汽車旅12ヵ月」に、コミックマーケットに参加しつづける動機が低下し、このまま続けるべきかどうか考えている、という内容の記事が載った。その後の記事に、実は奥さんからたまりにたまった資料を処分しろと言われて困っている、なんてことが書いてあってちょっと考えさせられたのだが……まぁその辺はいいか。コミックマーケットに「参加」どころか同人誌即売会そのものからはしばらく離れている人が、コミケ絡みの話について語ること自体間違ってる。ただ、この記事を全部読んで、「終わり」があるなら「始まり」もあるはず、じゃあ「始める」きっかけは何が要因になるのか、とまるで連想ゲームのごとくネタが浮かんでしまった次第。
まさか一般人であるもりくち先生に「紀行番組に出てください」とはいくら何でも言えない。でもJTBキャンブックスから「鉄道未成線を歩く」シリーズを上梓しておられるんで、一人か二人くらい職業として「鉄道ライター」をやっている人はいそうな気がする。先生に反応していただけたら感謝ものだけれど、いくら何でもこのネタは無理ですかねぇ。
「非鉄道ファンと鉄道ファンの間を繋ぐのは、一体誰?」

*1:東京から京都までローカル路線バスだけで行き着けるか、という内容だったが、結局たどり着くことは出来なかった。途中、県境1箇所を高速バスで越えたと記憶している。

*2:横浜駅西口バスターミナルから山梨・長野・岐阜各県内のローカル路線バスを乗り継いで富山県氷見まで向かった。途中、何度かタクシーや出会った先の人々に送ってもらったりしている。

*3:東京・日本橋から日光東照宮までの約150キロを5人で分担して歩き通す。2009年11月7日放送分「街道歩きの旅 中山道8日間ふれあい珍道中」はこのシリーズの第4弾。日本橋から高崎・達磨寺までの約110キロを4人で歩き通す、というもの。確か誰か一人ノルマを達成していなかった人が(以下略)。