テツモグラはいつももがいてます

はてなダイアリー「鉄道旅行とは巡ること」からの移行ブログです。鉄道を含む交通機関関連がメインだけれど実際には雑多ネタ。

株式会社桃花台交通システム、旧桃花台線に「ガイドウェイバス」導入を決定。

株式会社桃花台交通システムは小牧市役所で会見を開き、2006年10月を以て廃止とした旧桃花台線に、名古屋ガイドウェイバス(通称「ゆとりーとライン」)が採用している「ガイドウェイ誘導方式」を導入することを正式に発表した。同時に、JR東海及び名鉄の金融支援を受けて、2017年度までに運行を再開させることも合わせて公表した。
桃花台線は乗客の急激な減少により赤字増加に歯止めがかからず、2006年9月末を以て営業を終了した。その後、跡地利用について何度も桃花台ニュータウン住民・県・小牧市の3者間で話し合いが持たれたが、跡地売却にかかる費用が売却益を大幅に越えるなどの問題が浮上し、また「ニュータウン販売価格への旧桃花台線整備費用転嫁問題」が新聞等に公表されたこともあって、話し合いは平行線となっていた。
そんな中、会社清算中であった桃花台交通システムは、大曽根小幡緑地間を結ぶ「名古屋ガイドウェイバス」に着目し、通常の路線バスサイズで運行しているこのシステムを小型バスに置き換えられないか検討を行っていた。そして検討の結果、JR東海及び名鉄の支援が受けられれば、現路盤に耐震工事を行った上で再活用することができ、「小型バスでのガイドウェイ誘導方式」も導入できることが分かった。この結論をJR東海及び名鉄側に打診したところ、当初は両者とも難色を示していたが、県及び市側の働きかけ、そして桃花台ニュータウン住民からの強い要請により再支援が約束された。支援額は公表されていないが、JR及び名鉄の負担分だけでそれぞれ数百億円単位になるものと思われる。
再開業へ向けた路盤整備等については、2008年4月1日にJR及び名鉄の共同出資により設立される新会社が後を引き継ぎ、現路盤及び旧桃花台線の設備一式は新会社に移された上で、路盤や支柱の耐震工事などが行われる。ガイドウェイバスの乗り入れ口は小牧駅側のループ線を改造し、小牧駅南に設ける。
なお、この会見上で、建設時の計画に盛り込まれたまま工事が行われなかった、春日井方面への路線延長についても言及があった。席上で桃花台交通システム社長は、県道195号線及び県道199号線の一部区間については道幅が狭く、道路拡張の際の費用が膨大になることから、現在複数のルートを検討していることを明らかにした。

桃花台新交通、あの路盤は一体どうするのか?

 元暴力団員のブチ切れ拳銃武装立てこもり事件については、
 http://tabimogura.blog33.fc2.com/blog-entry-124.html
 にて。

こっちでの話は、相変わらず跡地利用について何も出てこない
 桃花台新交通
であります。
桃花台新交通」については一度過去にどこかで書いた気がするんですが、まぁいいや。実はいくつかのブログに対してはてなアンテナを張ってまして、自動で届く更新情報を見たら、「とれいん工房の汽車旅12カ月」に「大阪市民の力を結集して2008年大阪オリンピックを成功させよう!」の見出しで、何やら面白い記事が公開されている様子。
 http://d.hatena.ne.jp/katamachi/20070518/1179436187
今回のネタは、この記事を読んでいて浮かんでしまったもの。
カテゴリ「鉄道一般」に入れるわけにはいきませんので、
新規カテゴリ「仮想路線」を立ち上げました。


くれぐれも言っておきますが、今のところ、何の動きも見られません。

桃花台新交通は今後どうなるのか?

話を進めます。
廃止前、廃止後もいろんなことがマスコミで報道されては消える旧桃花台線
IMTSを導入する、あるいは完全に現路盤を解体して売却する、などいろんな案が出ましたが、どれも決定項ではありません。
では、何が問題なのか、自分なりに考えてみることにします。

IMTSを導入する場合

  • IMTSを万博に出品した某T社。この路線を実験路線と位置付け、各国及び各都市に売り込むための足掛かりと考えれば、赤字を食らってでも売り込めたはず。これをしなかったのは、投資に見合うだけの効果、つまり利用者がいないと判断したから。
  • そもそもIMTSは万博期間中、停止位置のズレからよくシステム誤作動を起こし、その度にシステムの不具合修正をしていた。そんなシステムをピーチライナーの代替案として出し、導入された後に不具合で運行停止にでもなれば、T社の企業価値が下がる。
  • IMTS開発に大幅な遅れが出ていると一部新聞で報道されたが、それはT社が「本腰」を入れていないことの現れ。T社が「自動車メーカー」であることを考えれば、鉄道に近い運転形態となる「IMTS」に本気で取り組む可能性は低い。
  • IMTSの万博敷地内での運転速度は、ピーチライナーの最高速度と変わりなかったはず。道路に埋め込まれたマーカーの位置情報から操舵及び速度調整をするシステムだから、マーカーを拾って処理する車載ユニット及びシステム全体の処理能力が上がらぬ限り、70キロや80キロでの走行は現段階として無理。速度的に「ピーチライナー」と大差ないと言われれば(以下略)。

取り壊した場合

  • 跡地整備に100億円かかるそうだが、談合が相次いでマスコミ等に暴露される建設業界において、それは向こうからの言い値ではないか?(つまり実際の費用はもっと安い)
  • 道路と路盤の位置関係から、路盤をすべて解体しても、道路の拡幅以外に転用できる道はない。しかも拡幅に回しても、実際に使えるのは全路線のほんの一部だけ。国道155号線上、県道453号線上、及び県道195号線上の区間は、道路の上を高架で通しているため、拡幅は事実上不可能。
  • 取り壊す場合には、道路の一部を車線規制する必要がある(高架部分の解体で、恐らくクレーン車等を使うだろうから)。工事は当然大掛かりなものとなり、工事車両の出入り、何よりも工事に伴い発生する騒音問題をどうするかが課題になる。

ガイドウェイ方式を導入した場合

なので、ガイドウェイ方式を導入した、ということにしたのですが、ガイドウェイ方式を導入してもものすごい費用がかかるのは明らかです。

  • 現有施設を利用する場合、車体両側にドアがあるバスを製造する費用
  • バスをガイドウェイ方式に改造する費用
  • バスの扉位置と現在の各駅すべての扉位置を合わせるための改造費
  • ガイドウェイバスは法的に「鉄道」の扱いなので、現在の閉塞方式を改造するための費用
  • 現在の本線にバス車両乗り入れ用のゲートウェイを設けるための費用
  • 運行管理システムの導入にかかわる費用
  • 運行管理システムの変更に伴い、従業員の再教育にかかる費用
  • 耐震補強工事費

まだこんなものではないはずですが、これだけを計算しても、数百億単位の資金が新たにいるだろう、というのは素人でも分かることです。
じゃあ、どうすればいいのか、というと、今のところ
打つ手なし
です。考えようがないでしょ。
今回は中途半端な結論を置いて、この記事は終わりにします。
外は風が強いね。