テツモグラはいつももがいてます

はてなダイアリー「鉄道旅行とは巡ること」からの移行ブログです。鉄道を含む交通機関関連がメインだけれど実際には雑多ネタ。

中部運輸局長に「ケツ」ひっぱたかれてるようでは……。

YOMIURI ONLINE」中部版より、「共通ICカード JR・私鉄 東海足踏み」
http://chubu.yomiuri.co.jp/news_top/090327_3.htm

中日新聞Web版【鉄道特集】より、「名鉄、タクシー再編検討 新3カ年経営計画を発表」
(2009年3月24日付)
http://www.chunichi.co.jp/article/feature/railway/list/200903/CK2009032402100003.html

名古屋鉄道公式サイトより「経営計画」
http://www.meitetsu.co.jp/profile/kigyogaiyo/keiei/index.html

これと内容的に同じ記事を中日新聞で見て、名古屋の公共交通政策って本当に遅れてるなぁ、と思った。

JR東海がIC乗車券システム「TOICA」を導入し、一方で名鉄名古屋市交通局が別体系のIC乗車券システムを導入しようとしている。そして現在、その相互利用に向けた取り組みも始まっている……と新聞で見た覚えがあったのだが、「YOMIURI ONLINE」の記事によれば、その相互利用を推進するための「関係各社連絡会」が昨年1月を最後に一度も開かれていないという。名鉄が発表した「新・中期経営計画」でも、名鉄名鉄バスに導入されるIC乗車券システムは、「名古屋市交通局など他事業者との共通利用」と書いてあるだけで、「JR東海TOICA』との相互利用」なんて表現はどこにもない。どこをお手本にして導入するつもりなのか、こいつら……。
首都圏で現在運用されているJR東日本Suica」と首都圏の私鉄及びバスで利用できる「PASMO」は、現在それぞれの利用可能エリアにおいて共通で利用できる。関西圏で運用されているJR西日本の「ICOCA」とポストペイ方式*1の「PiTaPa」、この2つも関西圏の利用可能エリアにおいて共通利用できる*2。一方、福岡圏内で導入されているJR九州SUGOCA」、西日本鉄道nimoca」、福岡市営地下鉄はやかけん」は現時点でまだ相互利用できず、「様子見の利用者もいる」と西日本新聞の記事は伝えている。

西日本新聞Web版2009年3月26日付
「あなたはどれを選ぶ? IC乗車券出そろう 割引率なら「磁気」 目的で変わる選択 伸びる定期券利用」
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/85453

IC乗車券システムがそのエリアで普及するか、その大きな鍵を握っているのは「JR線と私鉄線相互で共通に利用できるか」という点。先行して導入された2つの例を見てもそれは明らかだ。その上で、コンビニやスーパー、商店などで「財布代わり」に商品代金を決済できる「電子マネー機能」があるかどうかにより、加速的に普及するかどうかが決まる。首都圏及び関西圏での普及率上昇はその2点がいずれもクリアされていたからだ。そしてその2つの点から改めて名古屋の「IC乗車券」普及状況を見てみると、やはり「福岡よりも立ち遅れている」と言わざるを得ない。中部運輸局長が3社の「ケツ」ひっぱたくような発言をしたのも分かる気がする。「ド・ニチエコきっぷ」で各地の地下鉄事業者に衝撃を与えたのに、IC乗車券に関しては福岡よりも遅れているんだから。(以下強調表示繰り返し)

*1:利用料金・運賃の合計を後から指定口座より引き落とす方式。

*2:PiTaPa」を「ICOCA」利用可能エリアで使うには、事前のチャージが必要。