テツモグラはいつももがいてます

はてなダイアリー「鉄道旅行とは巡ること」からの移行ブログです。鉄道を含む交通機関関連がメインだけれど実際には雑多ネタ。

「犬山城下町日南焼酎まつり」が「非常に惜しい」と思った理由

本来なら昨日先に書いた「ムーンライトながら」関連の記事を6月4日付に「移動」させて、新たに記事を書くつもりだった。ところが書いている途中で急に眠気が襲ってきまして……。何でかって?

犬山城下町日南焼酎まつり実行委員会は、6月3日〜5日まで第1回犬山城下町日南焼酎まつりを実施します。
「焼酎まつり開催」犬山市観光協会公式情報提供サイト「犬山観光情報」2011年5月30日付)

ええ、焼酎を痛飲しに行ってきたからですよ。本来は有松絞りまつりか出来町の山車を見に行く予定だったのだけれど、犬山駅で見ちゃったんだよねぇ、「焼酎まつり」の張り紙を。ほんと、俺って飲兵衛……。で、行ってみてどうだったかというと、本当に惜しいと思った。別に「松の露」をロックで頼んだらきゅうりのスライス入りで出されたとか、そういう話じゃなくてです。決定的なある点が「本当に惜しかった」んだよね。

結構いい銘柄が提供されていたのに。


当日はあいにくの曇り空だったけれど、雨は幸いにして降らなかった。犬山踏芸祭の最終日だったし、それとの相乗効果で会場の本町通にも客は来るだろうと思っていた。けれど実際に行ってみたらそんなに来てなかった。いや、通りに人はいたんだけどねぇ。来ないんです、会場の中に。別に無名の(失礼な表現だけれど)蔵元の焼酎を提供したわけじゃない。

  • 飫肥杉・赤魔性(井上酒造)
  • 無月・花立の里(櫻の郷酒造)
  • しろ銀滴・ふじ銀滴(大手門酒造)
  • 甕雫・時代蔵かんろ(京屋酒造)
  • 松の露別撰・黒麹仕込み松の露(松の露酒造)


「松の露」は焼酎好きにとっては有名な銘柄だし、京屋酒造及び櫻の郷酒造はモンドセレクション金賞受賞蔵元*1だ。そんな5蔵元、10種類の銘柄を、0.5合程度で200円から400円ぐらい(上記画像は「ふじ銀滴」大グラス・ロック:300円)で提供していた。うん、飲み屋の価格としてはこのくらいが妥当で特に高いとは思わない。でも客がいない。いなかったんです。私は、これは天候のせいだけとは思えなかったなあ。

  • 犬山駅改札口からイベント会場へ誘導する係員がいない。どでかい音響ですぐ分かる「犬山踏芸祭」にかき消されてしまっている感じは否めなかった。
  • 各提供ブース毎の価格設定が銘柄の紹介パンフレットにきちんと書かれていない。実は一部のブースで、ロックや水割りが割増料金だったとか、実は2種類の量(要は大カップと小カップ)で提供されていたとか、そういうケースがあった。提供銘柄の紹介パンフレットに一言、「詳細な提供メニューは、各ブースにてご確認ください」と書けばよかったのに。
  • 冒頭で、「松の露」をロックで頼んだらきゅうりのスライスを入れて出されたと書いたのだけれど、その理由を店員が説明できなかった。あの時は隣に座っていたご夫婦が店員に聞いてくださったのだが、そこで「こういう理由です」と店員が言えなかった。あれは飾りつけなのか、それともきゅうりの匂いを敢えて入れることで斬新な味を楽しませるのか。それをはっきりさせないと興ざめしてしまう。

とまぁ、何か「惜しい」点を3つ挙げてみたけれど、いずれもこれから2回目、3回目とやるにつれて改善されていくと思う。それよりも「明らかに惜しい」というか「片手落ち」な点が一つ。ええ、「宣伝不足」なんです、このイベント。

どうせやるならもっと宣伝しないと……。


今回のイベントの会場となった本町通りでは、過去に「城下町ビール祭り」、「ドイツワイン祭り」、「あったか鍋と地酒まつり」という3つの「酒」絡みのイベントが行われている。ところが開催時期は9月末・11月中旬、そして3月初旬といずれも他にめぼしいイベントが愛知県内で行われていない時だった。だから客が来たに過ぎない。今回は同じ日に他に4つも、それも愛知県内では既にかなり知られた祭りが開催された。

  • 有松絞りまつり
  • 尾張西枇杷島まつり
  • 熱田神宮尚武祭(熱田まつり)花火大会(=上記画像)
  • 「徳川園山車曳き揃え」及び出来町・筒井町山車曳行

これらの祭りは以前から行われていて、かなり有名な祭りになってきている。そんな祭りが4つもあれば、大抵の人は財布の中身を見て(笑)、いずれか一つか二つ程度に絞るはずです。ではそういう祭りに負けないぐらい盛り上げようと思うならどうすべきだったのか。「事前の宣伝」をすべきだったんです。「日南焼酎祭り」の場合、これがほとんどできてなかった。犬山駅改札口前にチラシが張ってあった程度で、名古屋駅コンコースの壁面にポスターは一枚もなかったんですよ。有松絞りまつりを見なさい、あのでかいポスターを。あれくらいやらないとダメなんですよ。
このイベントの主催は「犬山城下町日南焼酎まつり実行委員会」ということになっているけれど、実は城下町再生と活性化のため設立された第三セクター会社、TMO犬山まちづくり株式会社が関わっている。過去に同じ本町通りで行われた3つの酒関連イベントも同団体が関わってます。だから余計に「惜しい」んですよ。実績があるんです。実績があるのに第一回目のイベントで客が来ない。思いっきり関係者のケツを蹴飛ばしたくなるのは私だけですか?
「単式蒸留焼酎」(昔の基準では焼酎乙類)の売り上げが落ちているという話は、以前からニュースなどで取り上げられていた。井上酒造なんか、今回は仕込み担当の従業員がわざわざ蔵元から来て販売していた。だからもっと事前に宣伝して、盛り上げるべきなんです。もっと客は来るはずです。こんなもんじゃない。せめて有松と熱田から客奪う気でないと続けられないよ、と関係者の方々に言いたい。本日の話はこの辺で終わりにしておきますか。ああ、最後に一つだけ言わなきゃならんのだ。


「松の露」ブースで会いましたご夫婦へ。「熱田まつり花火大会」の花火打ち上げ場所は、熱田神宮の北西にある熱田神宮公園の「グラウンド」です。球場の南側にグラウンドがあって、そこが打ち上げ場所になっているのです。あの時「球場」と言ってしまったかと思いますが、決して球場ではありません。球場のすぐ隣には住宅街が広がっており、万が一不発玉が落ちてくれば大変なことになりますので。

*1:とはいえ、モンドセレクションはあくまでも規定の技術水準に達しているかどうかを認定するものなので、他と比べてうまいかまずいか優劣を決めているわけではない、らしいが。