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はてなダイアリー「鉄道旅行とは巡ること」からの移行ブログです。鉄道を含む交通機関関連がメインだけれど実際には雑多ネタ。

車両に測定センサー取り付け保守点検に活用……人間とコンピュータの「共同保守点検」はもうそこまで来ている

JR東、事前に運休防止 走行中に線路点検 :日本経済新聞
JR東日本が、営業運転中の車両にレーザーセンサーやカメラなどを取り付け、そこから得られたデータを集積して線路基盤の保守点検に活用しようとしている。得られるデータは既存のデータベース処理ソフト等では処理しきれない、いわゆる「ビッグデータ」となり、並列処理サーバ群を用いて収集データの取捨選択を行うものと思われる。
今まで鉄道の保守管理といえば、保守整備員や営業車両を運転する運転士、あるいは車掌など人間の「感覚」が主な「情報収集源」だった。そこにセンサー類から得られた「非人間的情報」を取り込んでいく。人間ならば「このくらいだともう交換か」と「あらかじめ予想」して決めていた作業を、果たしてコンピュータはどの時点で「保守点検が必要」と判断するか? 乖離差によっては情報処理プログラムの抜本的見直しが必要になるかもしれない。
まぁ、昨年辺りから実験的にやっていたようで、まだまだこれからも実験的な意味合いも含めて運用していくシステムなんだろう。本格的に「実用化」と発表されるまでには時間がかかると思う。それにしても、この技術がもっと早く実用化されていれば、先月の山手線架線柱倒壊事故ももしかしたら……あ、いや何でもない。
JR東日本が線路基盤の保守にデータ処理技術を活用しようとしている一方で、JR東海は車両の保守点検に車両搭載機器から得られるデータを活用するシステムを構築した。
http://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000026944.pdf
これは東海道新幹線向けのシステムなのだが、そのうち在来線にも活用される時代が来るかもしれない。そうなれば、昨年二月に発生した東急東横線列車追突事故の「二の舞」は避けられるかもしれない。ちなみに国の運輸安全委員会がこの事故について事故調査報告書を公表している。これによれば、原因は雪や油、車輪やレールの磨耗により発生した鉄粉などが混ざった物質が車輪とブレーキパッドの隙間に液状となって入り込み、これによりブレーキの効きが十分に得られなくなった事とのこと。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150528/k10010094231000.html

「人間の目」と「センサー経由による情報」……双方のいいところが取得され、欠点が互いにカバーされれば鉄道における保守点検はもっと効率よくなるだろう。そのうち「この天候になったら緊急でこの箇所を点検整備せよ」と、サーバ自体から情報発信がされるシステムができるかもしれない。もっともその日はもう少し先のことになりそうだけど、などと書いたところで本日付記事はお開き。
ところで先々週のJR東海社長会見で、リニア新幹線名古屋駅開業に向けた名古屋駅構内の改修工事が開始されると発表があった。平成28年1月頃を目処に、太閤通側にある「太閤通北改札口」は廃止となり、中央コンコース内に新たに在来線改札口が新設される。
http://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000026624.pdf
いよいよ、リニア新幹線……建設するんですか……。