ファミマTポイントの付与方法変更と、切り捨てられる半数近い「たまにしか来ない客」
ファミリーマートは7月5日より、「ファミマTカード」のポイント付与の方法を変更する。また、それに伴い従来のクレジットカードに加えて、新たに即時発行するポイントカードも登場する。
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1407/01/news144.html
(ファミリーマート公式サイトニュースリリース:
http://www.family.co.jp/company/news_releases/2014/140630_01.pdf)
ショッピングポイントの付与方法を変更するということだ。つまり、従来は100円(恐らく税抜き)につき1ポイントを付与していたのを、当月の利用状況により翌月5日から翌々月4日まで、
- 月に4999円以下は200円につき1ポイント
- 月に5000円以上14999円以下は200円につき2ポイント
- 月に15000円以上は200円につき3ポイント
にする、という話。が、私はこれを見て「Tポイントカードは絶対作らない」と強く思った。実質上のポイント還元率が落ちるのは明白だからだ。
ということで、twitter経由の人はようこそ。説明が長くなるけれど、しばらくお付き合い願えれば幸いである。
一体どれだけのポイントが還元されないんだか……
月4999円以下はポイント半減……。ではこの付与方法改定により、どれだけの影響が出るのだろう? それを推測するためのデータを示しておく。ベースとなるのはマルハニチロが昨年公開した、「コンビニの利用実態に関する調査」の結果報告書だ。以下にPDF文書への直接リンクを置いておく。
http://www.maruha-nichiro.co.jp/news_center/research/pdf/20130627_cvs_cyousa_2013.pdf
上記文書の6ページ目、図1「コンビニエンスストアをどれくらいの頻度で利用しているか」の結果を元に計算すれば、影響は推測できる。すなわち、これがファミマの来客層と一致すると仮定して、各回答層が398円の弁当を一日一個買ったら翌月に何ポイント還元されるのか計算してみればいい。それが以下の表だ。なお、以下の表において「月ごとの利用日数」は一ヶ月を4週として計算した。「弁当を一日一個:〜」は、税抜き398円の弁当を来店一日一個ずつ買った場合の、一ヶ月の合計金額・旧レートでの付与予定ポイント・新レートでの付与予定ポイントで、ポイントは小数点以下切り捨てで算出してある。
利用頻度 | 割合 | 月ごとの利用日数 | 弁当を一日一個:利用合計 | 旧レート | 新レート |
---|---|---|---|---|---|
ほぼ毎日 | 14.5% | 9割として25日 | 9950円 | 99ポイント | 99ポイント |
週に4〜5日程度 | 10.6% | 18日 | 7164円 | 71ポイント | 71ポイント |
週に2〜3日程度 | 24.7% | 10日 | 3980円 | 39ポイント | 19ポイント |
週に1日程度 | 18.4% | 4日 | 1592円 | 15ポイント | 7ポイント |
月に2〜3日程度 | 16.2% | 2.5日 | 995円 | 9ポイント | 4ポイント |
月に1日程度 | 7.9% | 1日 | 398円 | 3ポイント | 1ポイント |
それ以下 | 6.3% | 2ヶ月に1回 | 199円 | 1ポイント | 0ポイント |
全く利用しない | 1.3% |
同じ額だけ買い物をしても週に2〜3日以下の頻度だとポイントが半減する。当然と言えば当然の結論なんだけど、問題はそっちじゃない。「付与ポイント×割合」の合計を計算すれば分かることだが、もし100人客がいて客一人ひとりの一ヶ月辺り来店回数がマルハニチロの調査報告書通りなら、実質還元率は従来レートの八割程度にまで落ちる。
これが一番恐ろしい。つまり旧レートで付与されるはずだったポイントのうち二割分相当額は、新レートになった瞬間、本部の「親総取り」になる可能性が高い。
さよならファミマ。あんたは鬼だ。鬼だよあんた。
「○%ポイント還元」よりも「○%現金値引き」の方がお得に決まっている!
そもそも「ポイント還元」は理不尽なのだ。ポイントカードを持っていないともらえないし、パーセントが同じなら現金値引きよりもポイント還元の方が値引き額は低い。http://yokochan-y2.com/point-cash-rate/あたりできちんと解説されているが、ポイント還元の場合、付与されたポイントは使用して初めて有効であり、さらに使用してもその分にポイントはつかない。しかもおまけに一定期間が経過するとポイントが失効する。実質的に現金と同等価値なのに使わなければ消滅するのだ。
そんな理不尽なものを今、コンビニが積極的に使っている。「○円以上買うとポイント○倍」ってなんてものは、コンビニでの買い物程度ならそこまで得にはならないし、それどころかファミマみたいに付与方法の改悪でもされたら無茶苦茶だ。それを敢えて使う理由なんて、「本部が割を食わずにお得感を出せる」とか「ハウスカードにより客の囲い込みができる」とか、利用者側にとってはどうでもいいようなものしか見当たらない。
正直、今コンビニの配送倉庫で勤務中なのだけれど、毎日二万とか三万とかいう数の商品を出荷している。ところがいくら出荷してもこれでは「働いた」という気にはなれない。逆に「何でこんなに」と思うばかりだ。
ていうか、コンビニなんてスーパーが近くにない過疎地域にこそ出すべきだろ。都心部なんてもういらねぇよ!
などと「#コンビニの裏」的な暴言を吐いたところで本日付記事はおしまい。
ところで今週日曜が久しぶりに休みになりました。日帰りで京都へ行こうかと思っていますが、新幹線の特急料金までは出せないので東海道本線快速列車を乗り継いでいくことを予定しています。本来なら運賃の安い名神ハイウェイバスを使いたいところですが、何しろ私、朝起きられるかどうかがそもそもの問題でありまして……。え、目的? 当然「京とあまのね」ですけどね。