江南市タクシー運行便「いこまいCAR定期便」廃止、そして代わりに走るのは名鉄バス
現在、江南市内では、タクシーを利用した「いこまいCAR(定期便)」「いこまいCAR(予約便)」を運行していますが、利用率が著しく悪く、今後も回復が見込めないことから「いこまいCAR(定期便)」を平成25年3月31日で廃止することになりました。「いこまいCAR(予約便)」は今までどおり利用することができます。
また、平成25年4月1日より名鉄バスの新路線が運行しますので、そちらもご利用ください。
「いこまいCAR」について(江南市公式サイトより)
いこまいCAR定期便及び予約便の詳細は
- 定期便:http://www.city.konan.lg.jp/simin/ikomai_car/teiki_bin.html
- 予約便:http://www.city.konan.lg.jp/simin/ikomai_car/yoyaku_bin.html
に、変更される名鉄バスの路線はhttp://www.city.konan.lg.jp/simin/meitetu_rosenzu.pdfに書いてある。
江南市公式サイトで公開中の「行政評価書」には確かに「検討の必要あり」と毎回書いてあった。でもその前に、バス路線が何で当時廃止されたのかその理由から考えないとたぶんだめじゃないかな?
そもそも「いこまいCAR」は廃止されたバス路線の代替手段だった
もともと江南市は名鉄バスの路線がそれなりにあった。だが利用者の少ない路線が廃線となり、その代わりを補う公共交通手段の確保が課題となった。その代替手段として注目されたのが「適当に空いているタクシー」だった。費用の問題かそれとも他の何かか、それは今となっては分からないが。
それはともかく平成14年、江南市はタクシーを使った定期路線を試験運行することにした。委託先は尾張地域を管轄する名鉄西部交通。
最初は市内に8路線が開設された。平成14年1月5日から平成16年9月30日までの試行期間の後、運行コースを見直した上で翌10月1日から本格運行を開始した。その後、いわゆる「オンデマンドタクシー」として「いこまいCAR予約便」を新設し、平成19年10月1日から試行運行を開始、平成21年10月1日より本格運行となった。なお、「いこまいCAR定期便」の当初開設された路線は以下に詳しい。
ところが利用率低迷と名鉄バス路線の路線変更により定期便6路線が姿を消し、「江南厚生病院〜すいとぴあ江南」路線と「県営松竹住宅〜江南市役所」路線のみが残された。そして今回、残った2路線も廃止になる。
ではそもそもなぜ当時路線バスが廃止になったのか?
江南市は「駅周辺地区に人口が集中する」車必須のベッドタウンだもの
ここから先は私の推測。
この人口表のうち2ページ目、「地区別人口」を見ると、江南駅周辺である「古知野地区」に人口の約半分、布袋駅周辺である「布袋地区」に人口の約二割が住んでいる。大多数の人は徒歩か自転車か原付バイクで駅まで移動可能ではないか? もしそうだとすれば、彼らにとって路線バスは「普段から使う」ものではない。さらに時期から見て「自動車保有率の上昇」と無関係ではなかったはずだ。
決して住民が激減したからではない。単に「既存の利用者の多くが自家用車を購入し、バス利用をやめた」だけだ。しかも今残っている路線は病院と駅、駅と大規模団地、駅と駅など「会社として確実に需要が見込める路線」ばかり。何でそれらだけを残したのか、当時名鉄バスにちゃんと理由を聞いたのかと問いただしたい。
最後に
利用者が離れた路線、そして愛知県の平均に近い世帯あたりの自動車保有台数。
- 市区町村別・車種別自動車保有台数(愛知県公式サイト):http://www.pref.aichi.jp/cmsfiles/contents/0000036/36948/4-(3)_23.xls
どれだけの人が車に乗るのをやめてバスに切り替えるのか、それは全く不透明だ。もっともこの新規路線、市唯一(と言っていい)ショッピングセンターと市西部の団地を直接結ぶので、まぁあの団地に住む人にとってはちょっと利用価値があるかとは思うけれど。ええ、もちろん「生暖かく」見守らせてもらいますよ……とまたまた意味不明なオチを書いたところで本日付日記はお終い。
そういえばSL運行の件、見てきました。人多かった。でも正直、名古屋市って毎年4000万円も出せるほど金回りは潤沢だったっけ?