テツモグラはいつももがいてます

はてなダイアリー「鉄道旅行とは巡ること」からの移行ブログです。鉄道を含む交通機関関連がメインだけれど実際には雑多ネタ。

5年に一度のお祭り騒ぎだからやっていい企画……? 〜さらにもう一本

前回の記事(id:tetsumogura:20100218)のコメント欄に「そうか。承知した」と書き込みがあって、いわゆる「釣り」かと思った。その後でもりくち氏のブログを見たら、2月20日付記事(http://d.hatena.ne.jp/katamachi/20100220/)にも同じ名前及びURLリンク付きのコメントがあったので、「釣り」ではないだろうとは思う。思うけれど……何を「承知」されたのだろう?
それはともかく、タイトルと前半部分と後半部分が全然合ってない前回記事の続き。主義主張が一貫してないじゃないか……と思われた方がほぼ100%だろうと思う。話をはしょるとよろしくない。でも長々話すのもまたよろしくない。意見をまとめるのって難しい。


参考:「鉄道むすめ」シリーズの制服選定は「買い手市場」?

後戻りできないんだから、もうやるしかないでしょ。

「メイドトレイン」については既にホームページが立ち上がっていて、鹿島臨海鉄道は列車の運行予定まで出している。ひたちなか海浜鉄道日誌2010年2月20日付エントリー(http://www.hitachinaka-rail.co.jp/blog/?p=1902)には、「(私やもりくち氏のブログを含めて)言及したのが1000近く引っかかってくる」とか、イベント業者のところには取材申し込みが多数来てる、とか書いてあった。それが情報として正しいとなると、逆に今中止すればひたちなか海浜鉄道鹿島臨海鉄道のイメージが相当落ちるのではないかと思う。もりくち氏は運行日のことも気にしておられたようだが、この日にしか出来ないと思う。3月27・28日は東京国際アニメフェア、前週以前はコスプレイベント及び地方都市での同人誌即売会が行われるので、それならコミケスペシャル当日にやるのと大差ないだろう。運転時刻については、買って帰る客を狙う形になっていて……もういいか。
だから今回はやればいい。「ここまで大胆なことをやる鉄道会社があるなんて」と思わせとけばいい。問題はその後。
ちょっと別の話を投下しておく。

境港市鷲宮町と羽後町の町おこしに共通するやり方、そして弱点

ゲゲゲの鬼太郎」で商店街の活性化を図ろうとしている境港市、「らき☆すた」で商店街活性化を図っている鷲宮町、そして二次元系美少女*1のイラストを軸にして町全体の活性化を図ろうとしている羽後町。全くやり方も目的も違うこの3つの地域は、何だかんだと外から言われてはいるが(私もその一人だが)、いずれも地域にとってプラスになる何らかの結果が出ている。やり方と目的は違えども、そのやり方に共通するものと弱点は全く同じだ。
この3箇所に共通する弱点とは、「世間に広く知られている観光スポットがない」ということだ。平泉、日光、神戸、京都、奈良、姫路など、歴史的建造物を抱えるところ、あるいは有馬や草津、箱根、由布院や別府、道後など古くからある温泉地、そして北海道の釧路や山口の秋吉台などの自然風景。東京ディズニーリゾートも有名観光スポットに加えていいだろう。ではなぜあれだけの人が来るのか、それは「そこにしかない何か」があるからだ。それは歴史だったり伝統だったり、あるいはそこでしか見られないイベントだったりする。この「他にはない何か」をうまいこと作り出して、注目させて、その状態を持続させれば人は集まってくる。
一方、3箇所が取った方法には以下の6つが共通している。

  1. 何をしたいのか目的がはっきりしている。
  2. 「テーマ」に合致するイベントを複数やっている。一つのイベントにはこだわっていない。
  3. 実行するイベントそのものが目的と化していない。
  4. 地域にある名物や史跡など、「そこに元からあるもの」をイベントに絡めている。
  5. 特定の業者や行政だけで主導する形ではなく、住民や地元にある商店もイベント実行に関わっている。
  6. 全てのイベントがもたらす効果は、関わった住民や商店全てに対して目に見える形で還元されている。

「町おこし」なのに「町にあるものとは無関係のもの」でイベントを行ない、かつその利益も効果も回ってくるのは一部の業者だけ……では住民から反対されるだけ。しかも「イベントをやること」自体が目的と化しているようでは、やるだけ無駄ということだ。結果を出した3箇所はそれを分かってやっている。中でも「かがり美少女イラストコンテスト」を開催する立役者となった、山内貴範氏は特によく理解しておられる。やっぱりこういう方法を考え出す人の頭は、違う。


参考:羽後町「かがり美少女イラストコンテスト」情報ページ:http://hachinosu175.blog107.fc2.com/
1月28日付エントリー:http://hachinosu175.blog107.fc2.com/blog-entry-124.html
1月21日付エントリー:http://hachinosu175.blog107.fc2.com/blog-entry-123.html

2次元系美少女モノ(フィギュアを含めて)も「メイドトレイン」も、あくまでも宣伝する手段の一つとして割り切って使うべき。

「2次元系美少女モノ」は一部のファン限定でしか通用しないネタであるし、世間一般からはまだ「イロモノ」扱いされている面もある。「2次元系美少女モノ」が現実の世界に実在しないものであるがゆえに、何でのめりこむのかが理解できない人が今も多い。そういうイメージを持たれている代物をテーマにして町おこしをするためには、それらマイナスイメージを払拭するだけの強いプラス効果があるということを住民に説明し、協力者を募り、常にその効果を証明していかなければならない。計画段階から、目的は「町おこし」であり、「2次元系美少女モノ」は「注目させる手段」の一つだ、ということを意識する必要もある。そうでなければ住民からそっぽを向かれておしまい。
話を元に戻して「メイドトレイン」。残念ながら、「メイド喫茶」そのものがまだ一般にそこまで認知されていない。ひたちなか海浜鉄道の沿線には舟運とか水戸藩由来の史跡が残っているそうで、それと「メイド喫茶」を合わせるのもちょっと無理がある気がする。やはり「メイドトレイン」は5年に一度の馬鹿騒ぎだからやれる話だと思う。それ以降もやると言うなら、一時的な増収策と割り切って使うべきだ。まぁ何をやるにせよ、「住民が積極的に協力してくれ、かつ持続可能な方法」でないと、結局一人で旗振り続ける羽目になる。まずは「メイドトレイン」が成功することを祈ります……と記して本日はお開き。
なお、明日は大高にある酒蔵の酒蔵開放日。酒好きな方はJR大高駅へ。「金山駅」なんぞには行ってはいけません。「撮り鉄」の集団移動に巻き込まれてえらい目に遭います。

*1:ほぼネット用語:小説、漫画やアニメ、フィギュアなど、いわゆる空想の世界