テツモグラはいつももがいてます

はてなダイアリー「鉄道旅行とは巡ること」からの移行ブログです。鉄道を含む交通機関関連がメインだけれど実際には雑多ネタ。

クレジットカードを持たない貧乏人はJR東日本の路線を利用するなとでも?

JALが会社更生法による更正手続きの開始を認められたとか西鉄がバス事業において不採算路線を最大57路線廃止するとか、景気低迷が原因の暗いニュースばかりが目立つが、その中にまぎれてとんでもないニュースが報じられた。JR東日本が一部の「おトクなフリーきっぷ」について、発売終了を決めたのである。しかも廃止対象は割引きっぷや回数券だけでなく、鉄道ファンにはお馴染みの「土・日きっぷ」や「ぐるり北海道フリーきっぷ」、さらには周遊きっぷ田沢湖十和田湖ゾーン」・「山寺・松島ゾーン」・「福島・蔵王ゾーン」の3つも入っている。何考えてんだJR東日本
JR東日本プレスリリース:「おトクなきっぷ」の一部見直しについて
http://www.jreast.co.jp/press/2009/20100107.pdf(PDF約70KB)


土・日きっぷ」については、ただ呆れるばかりと言わざるを得ない。代わりに出る「ウィークエンドパス」は特急券等料金券は別購入で、特急や急行に乗れば乗るほど(普通車自由席であっても)「土・日きっぷ」よりも高くなる。当日でも買えるようになるそうだが、例によって「ゴールデンウィーク内及びお盆中の土曜・日曜は利用できない」ことにしている。だいたい、首都圏以外からこの切符を買い求める場合、発売箇所までの行き帰りは運賃も料金も別払い。どれだけの人が首都圏以外から買い求めに来ると?


土・日きっぷ」については他の方がブログ等で語られているし、2ちゃんねるのスレッドでネタにもなっているのでそちらを参考に。問題は周遊きっぷ実は廃止になる3つのゾーンとも、ゾーン内の特定の駅までの往復とするだけで、まともに「往復乗車券+自由席特急券」を買うよりもおトクになる。例えば東京発着だと「山寺・松島ゾーン」については山形新幹線奥羽本線)経由で天童駅まで、「福島・蔵王ゾーン」の場合は山形駅まで行って、いずれも同じ経路で戻ってくれば元は必ず取れる。それなのに廃止が確定したということは、結局「宣伝不足」だったということだ*1。そしてそれでいて、これら3つのゾーンとフリー区間がまともに被るフリーきっぷが他に存在しない。あって「廃止」なら「また例によってか」と半分諦めも付くが、ないもんだから話にならない。どうしよう……来年度以降も発売しているなら、久しぶりに「山寺・松島ゾーン」を使ってみるかと思ったけれど。JR東日本に抗議するか?


これ、JR東日本は「えきねっと」及び「モバイルSUICA」会員登録者数を増やしたいがために廃止にするんだと思う。業績悪化とかそんなまともな理由じゃない。そしてそのうちこう言ってくる。「クレジットカードをお持ちでない方、もしくはお持ちでも『えきねっと会員』や『モバイルSUICA会員』ではない方には、おトクな割引きっぷやフリーきっぷはお売りできません」、と。クレジットカードをお持ちでない人は貧乏人だから、普通列車限定のフリーきっぷを押し付けて「お得に回れた」気にさせとけばいいだろう……ってそういう考え方なんだろうな、連中は。あるいはクレジットカードを持たない貧乏人はJR東日本の路線なんか利用してもらわなくて結構、とか。


これね、どうやら利用者、というか鉄道ファンをなめてかかってるとどうなるか、一回「痛い」思いを経験させないとわからんようです。

*1:ていうか、周遊きっぷの宣伝ってJR各社は揃ってまともにやってないのだが。