テツモグラはいつももがいてます

はてなダイアリー「鉄道旅行とは巡ること」からの移行ブログです。鉄道を含む交通機関関連がメインだけれど実際には雑多ネタ。

名鉄西尾線・蒲郡線:ようやく行政と市民が本気で動き出したか。

そう、結局その路線を利用するのは沿線に住む地元住民。

しばらく名鉄西尾線蒲郡線の話はしてこなかったが、今年に入っていろいろと動きがあった。平成18年から行われている利用状況の定期的な調査は今も続けられているそうだが、3月に沿線自治体から名鉄に出された「存続要請」は、「やっときたか」といった感じだった。しかし行政がいくら動いても、利用する住民が「重い腰」だと始まらない。いつ市民グループというか協議会が立ち上がるんだろうと思ったら、7月9日に「(仮称)市民まるごと名鉄西尾・蒲郡線利用促進応援団」の発起人会が開催されたそうである。来る9月26日には結団式が行われるそうだが、その時には正式名である「市民まるごと赤い電車名鉄西尾・蒲郡線)応援団」の名が使われるのだろう。第4回の会合は9月11日だったから、近日中には何らかの形で新たな動きが告知されると思う。
蒲郡市公式サイト内、「名鉄西尾・蒲郡線利用促進応援団 」(直リンク)
http://www.city.gamagori.aichi.jp/kikaku/kikaku/meitetsukyougikai/meitetsuoendan.html
ただ、まだ不安なんだよな。いえ、ね……。

彼らが「イベント」で利用促進を図ろうとしたら、路線は数年後に消える。

「市民まるごと赤い電車名鉄西尾・蒲郡線)応援団」(以降、「赤いでんしゃ応援団」)に名を連ねているのはPTA、総代連合会、老人クラブ、子供会連絡協議会など19団体。いずれも路線が消えれば「困る」ところばかりだ。沿線にある蒲郡高校や蒲郡東高校、三河三谷水産高校、蒲郡市立看護ソフィア専門学校など、なくなれば通学の「足」が消える。そうなると入学者が減少し、高校の廃止にも繋がりかねないので、当然参加するに決まっている。私が「不安」と言っているのは参加する団体の顔ぶれではない。今後彼らが考え出すだろう「利用促進を図るための方法」だ。
何度も何度も繰り返すけれど、鉄道のみならず、公共交通機関の定期路線を存続させるには、地元の住民が積極的に利用する以外に方法はない。蒲郡線の場合、沿線の施設が次々と閉園・閉鎖に追い込まれた上、蒲郡競艇場へ行く客がJR線に取られてしまった。そうなってくると余計に「地元住民が積極的に利用する方法」を考えねばならなくなる。だがその「方法」が「沿線でイベントを行うこと」だと、全くお話にならない。「イベント」ではダメなんだよなぁ。それでは一時的にしか乗降客は増えない。しかも増えても短距離の乗車だ。

まずは、駅を守るために住民が結束すること、だよな。

いろいろと考えた。7700系による本線直通の臨時列車、特製行き先表示板の編成への掲示……いずれも「イベント」扱いで、常時できるとは思えない。そこでふと思い出したのが「殺風景な駅」だった。駅、何とかならんかなぁ。駅舎に花壇作って花でも植えて、そこに近所のおばちゃんらが集まって井戸端会議して……子供達が「赤い電車、きたぁ」って騒いで……。駅の入り口にも市の掲示板があると住民が集まってくるかもしれない。月一でいいから住民で駅の掃除をして……。沿線にふらりと立ち寄った観光客向けに「何か」置いてある、とか。
路線を存続させる方法、ではなく、今そこにある駅を廃止から守り抜くための方法を考えた方がいいと思う。そうすれば路線廃止を免れる方法は自然に出てくるんじゃないかな。


自治会が絡む「路線存続のための支援組織」が出来たことは、名鉄西尾線蒲郡線にとってはプラス要因。とりあえずまずは9月26日に蒲郡南駅前広場で行われる結団式で、この団体がどんなことを言い出すか、だなぁ。