「きたぐに」を使うと便利なのは、米原以西からの利用者だけ……？

名古屋方面から「きたぐに」を利用しようとすると費用がかかる。

もりくち氏のブログ記事には、583系急行「きたぐに」の話も出てくる。「きたぐに」には私も新潟経由で南東北方面に行った際にお世話になった。ただ、大阪方面からならいざ知らず、名古屋方面からこの列車を利用すると費用がかなりかかる。どこかで書いた気がするが、まぁどうせ暇ネタなんでもう一度。例えば単純に名古屋から新潟まで行った場合、こういう風になる。まずは乗車券の値段計算から。たぶんこれで合ってると思う。

名古屋→東京	366.0	名古屋→米原	79.9
東京→新潟	333.9	米原→金沢	176.6
		金沢→直江津	177.2
		直江津→長岡	67.0
		長岡→新潟	63.3
合計	699.9		564.0
運賃	\9870		\8720

左が東京経由、右が米原経由。運賃部分だけ見て安いと思って「きたぐに」利用に手を出すと痛い目に遭う。同じく左は東京経由、右が米原経由。

名古屋→東京（臨時快速「ムーンライトながら」）	\510	新快速	\0
東京→新潟（「とき」通常期指定席）	\4810	急行「きたぐに」急行料金	\1260
		急行「きたぐに」B寝台上段もしくは中段	\5250
合計	\5320		\6510

料金券を買い求めると40円だけ「きたぐに」利用の方が高くつく。東京経由の方は快速「ムーンライトながら」を利用するものとし、米原駅で「きたぐに」へ乗り換えるには新快速米原行きもしくは大垣から普通列車米原行きを利用するとした。特急「しらさぎ」を使えば……当然さらに上がるよな。でもそれだけで済まないのがこの話。

米原駅での乗換え待ちに1時間以上待たされる。

一番問題なのは、名古屋方面から来て米原駅で「きたぐに」に乗り換えようとすると、1時間以上待たされるということだ。「きたぐに」の米原駅発車時刻は1時8分だが、こんな時間に米原駅に到着する名古屋方面からの列車は全くない。そこで米原から少し大阪方面に進んで、折り返して「きたぐに」に乗車することを考える。ところが時刻表で調べると、この方法を成立させるためには最低でも大津まで行かないといけない。米原〜大津間運賃は950円。往復で1900円。結局、東京経由の場合より1940円も余分に支払うことになる。
逆に新潟から名古屋へ戻ってくる時に「きたぐに」を使っても、米原駅で48分待たされ、その間はホームか駅前をうろついているしかない。結局、名古屋方面から「きたぐに」への乗り継ぎは「非常に金がかかるだけ」。一般的な方法じゃない。

場合によっては手を出さなければならないこともある。

一般的ではないこの「名古屋方面から急行『きたぐに』」というケース。ところがこの手を使わざるを得ない場合がある。直江津駅から普通列車に乗り換えて信濃大町や白馬方面に向かう、「北アルプス方面への登山」という理由？　いやいや、そんなまともそうな理由じゃない。

• 名古屋方面から新潟発臨時快速上り「SLばんえつ物語号」に乗車する場合
• 会津若松発下り「SLばんえつ物語号」で新潟まで来て、それから名古屋方面に直接帰る場合

の2つのケースに限り、「きたぐに」を利用する可能性が出てくるよってこと。理由は書き出すとまた長くなるんで割愛するけれど、最新版の時刻表を見ればすぐ分かる。「ムーンライトながら＋上越新幹線」か「きたぐに」利用以外で、この2つのケースに対応できる行程は恐らくないでしょう、と。多客期における「ムーンライトながら」の運転は今のところ、昔みたいに2往復（定期1往復＋臨時1往復）ではなく臨時1往復のみ。2往復体制なら「遅れて到着する方で予定を組む」ことも可能だったけれど、1往復体制では満席になったらおしまい。一方、同じく臨時列車に格下げになった快速「ムーンライトえちご」をこの目的で使うには、新潟駅到着時刻があまりにも早すぎる。じゃあ上記2つのケースに対応する方法はもうないかというと、「きたぐに」を利用する、という最終手段がありますよ、と。まぁ、そういうことです。

もちろんそれ以外の目的にも「きたぐに」は使えますよ。特急「いなほ」で先行して羽越本線のいずれかの駅周辺で観光をし、後続の臨時快速「きらきらうえつ」に乗って行くとか、あるいは米坂線経由で米沢から山形方面に向かうとか。名古屋方面から南東北へ列車で行くなら、金はかかるけれど「きたぐに」を使うっていう手もあるよ、ぐらいは覚えておいてもたぶんバチは当たらない。うん、でもやっぱりこのネタはテツホイホイ。金かかるからこの手は非テツは使わない。名古屋発着で南東北方面へ旅行するなら新幹線経由でストレートに行った方が安く済むもん。