テツモグラはいつももがいてます

はてなダイアリー「鉄道旅行とは巡ること」からの移行ブログです。鉄道を含む交通機関関連がメインだけれど実際には雑多ネタ。

「京とあまのね」はまだ「化ける」

2014年(平成26年)2月、「京都クロスメディアクリエイティブセンター」(以下、略称の「KCC」)が開設された。KCCは京都に集積する映画・映像、ゲーム、漫画・アニメ等のクリエイターやコンテンツ企業と、それらとタイアップしたい異業種企業との交流を支援する拠点となるもので、この施設の運営事業は公益財団法人「京都産業21」が推進する「京都次世代ものづくり産業雇用創出プロジェクト」(http://kyoto-koyop.jp/)の一環として実施される。「京都を舞台とした作品」も増えつつあるし*1、「京都国際マンガ・アニメフェア」も毎年開催されているし、京都精華大学マンガ学部講師としてあの田中圭一先生を迎えているし*2、何よりも「京都アニメーション」という非常に有名なアニメ制作会社を抱えているので、KCCの設立はまぁ至極当然の結末かと思った。ぜひともタイアップ支援と人材育成(アニメ等キャラクターコンテンツ産業への就職支援)で、日本のアニメコンテンツ産業を活性化させて欲しい。
などと書いて終わりにしようと思っていたら、KCCがアンテナショップ「京とあまのね」(http://amanone-kyoto.jp/index.html)を河原町にオープンさせたという情報を得た。京都を舞台にした作品や漫画家等京都出身クリエイターの関連商品を扱うとのことで、何を扱うのか注目していた。そしたらタイアップ企画第一弾が発表された。

有頂天家族』とのタイアップ企画「有頂天WEEKS」を、ゴールデンウィークを皮切りに開催します!
店内では『有頂天家族』コーナーをさらに拡大!
新規コラボレーション商品もお目見えしますよ!!
(「京とあまのね」公式サイト「NEWS」2014年4月20日公開情報より:http://amanone-kyoto.jp/NEWS.html

「交渉支援」と「発表の機会」……これは大きい。
クリエイター側にしてみれば、使用や掲載と引き換えに著作権料を払ってくれる、すなわちビジネスとして成立させることが今までよりも容易となる。その上に関連商品を「京とあまのね」で取り扱ってくれれば、今まで制作してきた作品が広く公表され、新規の仕事も集まりやすくなるはずだ。
使用したい企業側からすれば、KCCに話を持ちかければ交渉の支援をしてくれ、その上関連商品を「京とあまのね」で取り扱ってくれれば販路拡大である。
そしてアニメやマンガ等のファンからすれば、「京都を舞台とした作品や京都出身クリエイターの関連商品は『京都で買える』」。「京都出身? あ、じゃあまず『京とあまのね』に行こうか」という認識がこれから増えていくだろう。
以前http://d.hatena.ne.jp/tetsumogura/20140319で書いたけれど、アニメで地域活性化だなんて一企業ができる話じゃない。複数の企業が同じ作品を共有して次々と関連商品を送り出さなければ、ファンは「ああ、もうこの作品は見限ったんだな」とすぐにそっぽを向いてしまうだろう。ではその「共有」をどうやって作り出すか? 一企業だけが音頭を取ったところで、他の企業は付いてくるのだろうか? 企業を束ねる存在、すなわち商工会議所や自治体など異業種企業同士を結びつけることが出来る公益団体でないとダメなのではないか。鷲宮や栗橋など「継続事例」には「公益団体の関与」という共通項があるように思うのだが、それは私が抱く妄想だろうか?
長くなってしまったので終わりにしよう。KCC及び直営アンテナショップ「京とあまのね」はまだ化けると思っている。京都を舞台にした作品や京都出身クリエイターの活躍が増える度に、どんどん化けるだろう。いや、化けてくれないとブログのネタとして面白くない、などといつものように締めくくったところで本日付日記はおしまい。さて、明日は休みなんですが……京都……遠いなぁ。金ないなぁ。くそう。

*1:「たまこマーケット」や「有頂天家族」、「いなり、こんこん、恋いろは」

*2:http://www.kyoto-seika.ac.jp/edu/faculty/tanaka-keiichi/