テツモグラはいつももがいてます

はてなダイアリー「鉄道旅行とは巡ること」からの移行ブログです。鉄道を含む交通機関関連がメインだけれど実際には雑多ネタ。

今度はどこからどこまで?

やっぱりというか、案の定というか……。

名鉄パノラマカー7000系の定期運用が終了して1ヶ月。やっぱりというか、7000系を団体列車として利用したいという問い合わせが名鉄に殺到しているそうだ。そりゃそうだ。もう7000系が定期列車に充当されることはない。今度は誰でも金さえ払えば、あの7000系を1編成まるごと貸切で使えるんだから。名鉄もこれに気をよくしたのか、ミステリー列車の運転も検討しているとの事。何だ、この馬鹿騒ぎっぷり。



(馬鹿騒ぎついでに、先週布袋駅にて留置中の7041Fを撮影してきた。ところで7043Fはどこに?)


*【愛知】名鉄パノラマカーにアンコール殺到 来月、貸し切り運行(中日新聞2月4日付)
http://www.chunichi.co.jp/article/aichi/20090204/CK2009020402000026.html


記事には、貸し切り運転を行うためには定員400人分の乗車区間に対する運賃(最低33万6000円)を払えばいい、と書いてある。ということは、個人では無理でも企業や団体なら「イベント列車」として運行させることは可能なんだ。最低33万6000円で「7000系に乗車できます」っていうなら、地元企業にとっては高額のギャラを払って大物タレントを呼ぶよりは安い買い物になる。記事を読むと、3月から5月まで既に貸し切り運行の予約が数件入っていて、このうち3月には早速「貸切列車第1号」が運行されるとの事。どこだそれ……というのは後に回して、この「33万6000円」という金額、実は非常に重要である。

定期運行の合間を縫って運転させるから……。

本編から外れて、列車の運行に関する話。
その路線で運転される列車が全部「各駅停車」かつ「路線の始点駅から終点駅まで運転さするだけ」なら、1本もしくは2本の線路だけを敷けばいい。もし途中の停車駅を「通過」させたければ、途中の駅に退避用の別線(待避線)を作って前後をポイントで本線に繋げばいい。各駅停車の列車を待避線に入れて後続の列車を通過させ、後続の列車が通過した後に待避線から発車させれば「退避」完了である。だが途中駅が終点かつそのまま今来た方向へ折り返す場合、後続の列車がさらに後ろから来る列車に追い越されることもあるから、そのままその退避線上に停車させるわけにはいかない*1。複線でこれを回避するためには、

  • 本線から別線(留置線)を分岐させて列車をそちらに移動させ、本線や停車ホームが空いたら随時戻して発車させる。(犬山線柏森駅の折返し運転専用ホームや犬山駅
  • 待避線を上下線それぞれに敷き、その間にクロスポイント*2を配置して、一方の本線から直接反対側の待避線に入れるようにする。
  • 複線のそれぞれに設けた待避線の先に留置線を設け、留置線とそれぞれの待避線をポイントで繋ぐ。待避線で停車した列車は一度留置線に入り、折り返してもう一方の待避線に入る。(犬山線上小田井駅の留置線)
  • 上記2と3の複合パターン。つまり、上下線の間にクロスポイントを置き、クロスポイントの先から待避線を上下両方に引き、4線構造とした上で、その待避線の先にさらに引込み線を引いて待避線とポイントで繋げる。これなら引込み線や一方の待避線に編成があっても、空いている待避線に編成を停車させ、そのまま折り返して発車させることができる。(犬山線岩倉駅

などの対策を取らなければならない。ではそこへ定期運行列車以外に臨時列車を走らせようと考えた場合、どうすべきか? 今回の記事のミソはそこ。
臨時列車はその運転に際し、定期運行する列車の妨げになるような運行ダイヤは組めない。また運転終了後、どこかの車両基地や留置線に空きのある駅へ回送するのが一般的だ。ということは、必然的にダイヤに臨時列車一本を入れるだけの隙間があり、途中駅で退避でき、かつ始発駅及び終着駅で折り返す際、本線上を走行する列車の妨げにならない区間が選ばれる。少なくとも始発駅や終着駅は待避線や引込み線を多く持つか、すぐ近くに車両基地があって運転終了後すぐに移動できる線路配線を持つ駅が選ばれるだろう。ということで、「最低33万6000円」の話に戻す。

この額は、「どの駅間でも運転できるわけじゃない」という名鉄からのメッセージ。

この「最低33万6000円」という額、定員の「400人」で割ると一人あたり「840円」という額になる。この額に相当する普通運賃が適用される区間は、片道なら例えば「犬山〜太田川」とか「犬山〜豊明」間がある。実はこの犬山・太田川・豊明の各駅共に、臨時列車の折返し運転が十分可能な駅なのだ。太田川駅常滑線空港線)と河和線との分岐駅で普通列車の始発駅でもあるから引込み線がある。犬山駅や豊明駅は駅のすぐ近くに検車場があるから、運転終了後は編成を回送列車としてそこへ送り込んでしまえばいい。そう、「最低33万6000円」という額には「運転区間は限定されるぞ」という名鉄(の営業部)からのつよ〜いメッセージが込められている、と私は思う。
名鉄の現行ダイヤは数分間隔で各種別の列車が到着あるいは途中駅で折り返す形になっていている。そんなところに臨時列車を一本ねじ込むのは確かに「至難の業(中日新聞同記事より)」だ。しかも今回は「7000系」の貸し切り運転、とくる。この7000系、元々「特急」として使われていた車両だから、まともにノッチを入れれば時速120キロ近くまで出せる。が、加速性能が最新型に比べ明らかに落ちる上、40年以上も使われてきたがゆえに、いつ運行不能になるか分からない。だから臨時列車として入れるのは余計に難しいはずであるw。それはともかく、一体どの区間を走らせるのか、今後の運転動向が本当に楽しみになってきた。
言っておくけれど、これは名鉄が自分で撒いた種。ちゃんと最後まで刈り取ってくださいね、名鉄営業部。

定期運用終了後の貸し切り第1号は、鉄道友の会名古屋支部……orz。

さて、3月に7000系「貸し切り第1号」が運行されるという。どこの団体や企業が依頼したのかと気になって、検索サイトで情報を探していたら、鉄道友の会名古屋支部が予約したものだと分かった。
http://jrcnagoya.hp.infoseek.co.jp/events/schedule.html
「行事開催予定」に、3月15日(日)に特別例会「好きです☆パノラマカー」を行う、とある。さすがは鉄道ファンが集結する全国組織、33万6000円なんぞすぐ集まる、ってか?


ところでこの名古屋支部、私は全く知らなかったのだが、7000系パノラマカー6両編成が定期運用から離脱した後の2008年7月20日名鉄電車愛好会と共同でその7000系6両編成を1編成貸し切って、金山から知立まで運転してもらっていた。しかも、だ。当日は異色のバイオリン&ピアノデュオ「杉ちゃん&鉄平」が呼ばれ、東海ラジオ流石の源石」の源石アナも絡み、とどめに、この3人と2団体の間を取り持ったのが、あの「僕はパノラマカー」著者である古池直之氏。マジですかorz。
当日の模様については、「杉ちゃん&鉄平」の「杉ちゃん」こと杉浦哲郎氏の公式ブログにちゃんと書いてある*3


*「パノラマカースペシャル!念願の車内ライブ!」
 (「杉ちゃん&鉄平〜SUGITETSU DIARY by sugi」2008年7月20日
http://sugitetsu.asablo.jp/blog/2008/07/20/3640838


今度の「特別例会」でどこからどこまで運転させるのか、その情報は今のところ鉄道友の会名古屋支部の公式ホームページには出されていない*4。同じ区間を走らせることは考えないだろう……と私は勝手に予想するが、そこは鉄道ファンの集結する全国組織、今度は金山〜知立間往復って話かもしれない。いや、それよりも私が気になるのは、このテツホイホイに何人かかるのかという点。ちなみに前回の特別例会「パノラマカースペシャル」には鉄道友の会側から237人、合計で466人参加したそうだ。この人数なら6両編成はほぼ埋まっているはず*5。鉄道ファンってば本当に……こんだけ集まるんだったら……沿線の店で何か買えよお前ら……。

*1:東岡崎駅のような「折り返し専用渡り線」の設置は例外的処置

*2:2つの線路の間にX字型に線路を渡すことで、どちらの線路からももう一方の線路に入れるようにしたポイント

*3:知らんかった、公式ブログがあったとは……OTZ

*4:7000系貸切第2弾を開催します」とだけ

*5:楽器等の設置スペースがあるから当然、実際に参加者が座れる座席数はその分だけ減る