テツモグラはいつももがいてます

はてなダイアリー「鉄道旅行とは巡ること」からの移行ブログです。鉄道を含む交通機関関連がメインだけれど実際には雑多ネタ。

「下工弁慶号」、「管理契約解除」なら二度と走れない・・・?

三重県三岐鉄道阿下喜駅の横に一本のレールが敷かれている。このレールは、山口県下松市から2004年に3年間の期限付で借り受けたSL、「下工弁慶号」を走らせるために敷かれたものだ。決して展示だけのために敷かれたものではない。
「下工弁慶号」問題は、読売新聞Webサイト内にある以下のページに詳しい解説と、鉄道評論家である川島令三氏のコメントが掲載されている。
http://chubu.yomiuri.co.jp/tokushu/saizensen/saizensen060402_1.htm


実は、その後もう一度走らせた。
管理委託先である市民グループ北勢線とまち育(はぐく)みを考える会」が半ば強行する形で試運転を試みたのだ。もっとも、その運転は試運転線の途中で打ち切られたと聞いている。


で、5月25日。
北勢線対策推進協議会が「同グループとの管理委託契約を解除する」方針を打ち出した。どうも次の協議会で「管理契約の解除」について話し合うらしい。


あの路線の沿線に何か観光施設や大型ショッピングモールでもあったか? 沿線に目立つ施設なんて何もないんだから、来る必然性がないのだ。となると、この路線に客を集めるには、観光の目玉となる物を作るしかない。そんな時に期限付きながらSLという「観光の目玉」が使えるようになった。
しかしこれを「展示」するだけでは客なんて来ない。SLを静態保存する施設はいくらでもあるからだ。ここで1カ月に1回でも動かせば、SL見たさにみんなやってくる。県内は元より、どうかすると愛知県内からも観光客が来るかもしれない。そこで三岐鉄道側が、その特殊な軌間を保存することの意義を訴えればいいのだ。
安全上の問題とか「契約上の問題」とか言う前に、「静態保存」よりも「動態保存」の方が客は呼べることを意識して契約を交わしたのか、同協議会のメンバーには一人ずつ答えてほしいね。


「下工弁慶号」の試運転がなければ、あんな路線など誰も利用しようとは思わない。
管理委託契約解除により今後の試運転すらなしとなると、今まで動いているSL見たさに来ていた人は見事にいなくなる。これが乗客数減少の引き金となれば、再度廃止問題が持ち上がるだろう。今度起きればもう恐らく廃線になると思う。
それが今の「行政の対応のまずさ」ってやつなんだな。


あー、おもしろいおもしろい。